ラベル 日テレ・東京ヴェルディベレーザ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 日テレ・東京ヴェルディベレーザ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2022-09-06

2022-23 WEリーグカップ第3節 S広島R 1 − 5 東京NB

 2022年の第1回WEリーグカップは公式戦とはいえ実のところはプレシーズンマッチである、そう思うほかはない。 
 1−5というスコアに関しては言うべきことはない。植木理子と藤野あおば、この二人が2点ずつ。特に植木の2つのゴールはどちらも見事というほかなく、対応した中村も佐山も為す術がなかった。さすがはA代表のエースと言うべきで絶賛に値するものだった。 

 この試合、上野真実がベンチに入っていない。前日の練習では別メニューになっていたそうなので怪我があるらしい。増矢理花ももう少しかかるという話がある。したがって一応先発はベストメンバーと言えなくもない。
 瀧澤千聖がベンチスタートでトップ下が松原志歩だったのは意外だったが、おそらく練習で成果のあった形なのであろう。その松原志歩は試合開始から猛烈な走りっぷりを見せていたので、後半は瀧澤に交代する予定のように見えた。そしてその頑張りが功を奏しベレーザのビルドアップは機能せず前半は川島はるなが押し込んだ先制点を守って1−0で折り返す上々の展開となった。 
 後半開始早々のコナーキックからの失点と続く53分藤野あおばに決められた失点はチームとして反省してもらうとして、58分の選手交代で川島を下げ、70分で中嶋淑乃を下げたのは何ゆえだったのか。川島は先制点の他にも再三ベレーザのゴールを脅かしており、ここまでの展開の中では得点の匂いを濃厚に放っていた唯一の選手である。その川島をあっさりと下げてしまった。ただそれはまだ理解できる。昨シーズンは後半で川島に交代を出すシーンが多かった。その継続で予定の采配だったのかもしれない。 
 そして70分で中嶋淑乃が下げられる。もちろん代わりに入った瀧澤千聖に不足はない。むしろ出すのが遅すぎるくらいである。問題は中嶋をピッチから失うことの意味である。中村監督は昨シーズン後半、中嶋を徹底的に使った。第19節のINAC神戸戦では両足が同時に痙攣して立ち上がれなくなるほど疲労困憊している中嶋を最後まで代えなかった。冷たいようにも思えたけれど中嶋に交代を出せない監督の気持ちもよくわかったものである。その中嶋をなぜ早々に替えてしまうのか。これを見て筆者は冒頭の感想を持った次第である。すなわちこれはテストマッチなのだと。


 今回は遠慮なく書く。勝つ気があるのなら替えるべきは谷口木乃実だったはずだ。この日の谷口は目を引くようなハードワークもなく、ボールタッチが少なく、プレーが単調でターゲットにもなれないので中盤の選手は前線にパスを出せず、やむなくボールを下げざるを得ないというシーンがしばしば見られた。しかしボールを下げさせられるとそこにはベレーザの名うてのアタッカーたちの網が待っているのである。チャンスは一瞬にしてピンチとなる。
 複雑なテクニックを駆使してDFを翻弄する植木と同じプレーをしろとまでは言わない。しかしほとんどなんの工夫もなくチャレンジもないならピッチに立つ資格はない。他の選手に機会を与えるべきだろう。瀧澤か大内が谷口に代わってトップに入っていたらどんなに期待が持てたことか。

 これぞストライカーというべき働きを見せた植木と前半決壊していた右サイドを建て直した上で自身も2発叩き込んでみせる藤野のベレーザに対し、ブレーキのワントップを残して勢いのある川島とまだまだ走れる中嶋を下げてしまったレジーナ。双方のFWにこれだけの差があれば1−5という結果は必然というものである。しかしこの試合はテストマッチなのでたぶんそこは問題ではないのだ。 

 U-20W杯で一部のチームから主力級の選手が抜かれている状態で始まったWEリーグカップである。グループBでは神戸も千葉もいろいろな試みをしているように見受けられた。だからタイトルを狙いに行くなら絶好の機会のはずだった。それなのにどうしてこういうことになるのだろう。たぶんWEリーグからプレシーズンマッチのつもりでやってくれという通達でもあったに違いない。

 ともかく、ベレーザという難敵に奢りを与えることには成功した。彼女たちが次回広島に来るときはきっと油断たっぷりで来てくれるだろう。レジーナはリーグ戦できっとこの借りを返してくれる、そう信じている。 


GK福元美穂5.0好セーブもたくさんあっただけに残念な結果だった。
RCB佐山桃子5.5プレスに対してのいなし方かわし方は去年とは別人のよう。
LCB中村楓5.0あの二人を止めるのは至難の業なのだがそれができないと勝てないのも事実。
RSB松原優菜5.0大きな破綻はなく前半の優位を下支えしたが、左足は不発気味だったか。
LSB木崎あおい5.5後半は足が止まっているように見えた。表情も優れない様子だったので心配だ。
DMF小川愛5.5入りではミスが目立ったがすぐに良くなった。大黒柱が健在でなにより。
DMF柳瀬楓菜5.5この人がもしいなかったらと考えると目の前が暗くなる。
RWG川島はるな6.0彼女がゴールする試合は勝てない、そんな悪いジンクスができないことを願う。
LWG中嶋淑乃5.5瀧澤と一緒に出るとどんなコンビネーションになるか楽しみだ。
OMF松原志歩6.0新しいサッカーをしようという意欲が素晴らしく効果もあった。続けてほしい。
CFW谷口木乃実4.5いまのままではチームが地獄に落ちる。とにかく工夫をしてほしい。
RWG立花葉5.0シュートの意識が高いのは良い。だがあの時大内の左のポケットががら空きだったのだ。
OMF大内梨央5.0クロスに合わせる以外の武器を獲得できればレギュラーが奪れる。奪ってくれ。
RSB塩田満彩5.0試合展開からして見せ場が少なくなってしまったがもっと大胆にプレーしてもいい。
LWG瀧澤千聖5.0大きな見せ場はなかったがボールロストは少なく連携の企図も見られた。
DMF近賀ゆかり5.0この試合では役割があまりにも難しかった。

2022-05-07

内田好美の才能

  チームは第17節の相模原戦をきっかけに好調に転じた。4/29にはINAC神戸と激闘を演じた末破れはしたものの、5/4にはその神戸にリベンジを果たす結果を得た。リーグ戦終盤になってようやく安定感が出てきたと言っていい。もちろんこれは喜ばしいことであるのだが、良いことずくめかというとそうでもない。先発メンバが固定化してしまうという負の側面があるのだ。実際、ホーム初勝利のあとメインスタンドへ挨拶した時のベンチ外メンバーの表情は複雑だった。彼女たちの表情はマスクでよくわからないものの、試合に出たメンバと同じ晴れやかな顔つきをしている者は少なかったように見えた。

 ここでひとりの選手をピックアップしたい。#24DF内田好美である。
 後半戦が始まってチームは4連敗を喫してしまったが、この暗黒の連敗街道の中で鮮やか光彩を放ったのが右SBで先発出場した内田好美であった。
 鋭く精度の高いフィードを盛んに繰り出し、精力的に上がっていってチャンスメークする姿は独特のリズムを持っており、攻撃面で破壊力の高さを感じさせた。プレシーズンマッチにも前半戦にも出場機会がなかった彼女を後半戦に入って初めて見ることができた私は、中村監督はいよいよ秘密兵器を出してきた、と本気で思ったのだ。それくらい彼女のインパクトは強かった。
 初めて小野伸二を観たときの衝撃、初めて森崎和幸を観たときの衝撃、それに近いものを感じたのだ。巨大な才能を持つものだけが与える衝撃。それを内田好美は持っている。
 ただ、如何せん、チーム全体のパフォーマンスが良くなかった。サイドバックとしてはできることが少なかったかも知れない。その意味でチーム全体が停滞している時に出ることになった巡り合わせは不運というほかない。
 監督は当然彼女の能力を高く評価しているはずだ。だからこそ満を持して彼女を後半戦最初の仙台戦に起用したわけだ。だから彼女が先発で出た三試合のうち一つでも勝っていればほんとうに良かったのだが、運命の悪戯か、残念ながらそうはならなかった。チームとして結果が出ないとすれば、まだフィットしきれていないという判断が成立してしまうものなのかも知れない。
 しかし内田好美よ、あるいは出場機会が十分でない者たちよ、どうか腐らないで欲しい。サンフレッチェのスカウトは超の字を付けても足りないほど優秀だ。君たちはその優秀なスカウト陣に嘱望された結果いま現在広島にいる、そのことを忘れないで、チャンスをしっかりと手繰り寄せて欲しいのだ。