前半は完全に千葉のペース。レジーナは絶望感を覚えるほどに攻撃が機能しない。ビルドアップはさせてもらえず、中盤にボールが渡っても前線までは届かずすぐに最終ラインにボールが戻ってくる。当然ながらそこも安心できる場所ではなく、ひやひやはらはらの連続で結局はロングボールを蹴り出す以外にできることがほとんどなかった。
選手たちはどう思っただろう。千葉の選手たちは、今日は楽勝だ、きっとそう思ったに違いない。45分で1点しか入らなかったが、なにせまったくピンチにならないわけだからその1点だけで十分だとさえ思えたかもしれない。
対するレジーナの選手たちは昨年シーズンの勝てなかった頃の気分が胸をよぎったりしていたのではないだろうか。
しかし不思議なものである。後半に入ると少しずつ広島が前がかりになり始める。60分を過ぎた頃からは川島のスルーパスから決定機が生まれ中嶋の突破から木崎が走り込んで合わせるチャンスが生まれたりした。千葉のディフェンスはそれでも相変わらず堅かった。とはいえ前半のロングボールは影をひそめ、セカンドボールも広島が拾うことが多くなったのだ。
この変化はどう捉えたらよいのだろう。千葉の選手たちの足が止まったのだろうか。
確かに前半、千葉の選手たちはよく走った。それがなければあれだけのプレスを効かせることはできない。しかしその分レジーナの選手たちだって追いまくられるように苦しい走りをしなければならなかったのだ。つまり運動量に大差はない。
今期、男子チームのほうは後半の得点力の高さが際立っているが、これにはひとつ明白な理由を挙げることができる。それはハイプレスを徹底することで相手の守備的選手に強いストレスを与え続け、それが時間経過とともに集中力の持続を難しくするのである。それはおそらく肉体的疲労とは別のものなのだ。だから両チームの運動量に大差はなくても後半の攻防にその精神的疲労が如実に反映しているのである。
だがそれが今回発生した、というわけではない。谷口木乃実はここ数試合では最も強く守備に行っていたし右の川島はるなもトップ下の上野真実もプレスに行く姿勢を見せてはいた。が、まだまだ強度も連動も足りておらず相手に恐怖の硬直を起こさせるにはほど遠かった。さらには最も強度の高いプレスができる松原志歩がいないのだから千葉のCBはさぞかし楽だったはずなのだ。
そういうわけで、前半と後半の落差がどうにも納得できないのであるが、これがサッカーというスポーツの不思議なところなのかもしれない。
今回は印象深かった選手にのみコメントしたい。
■谷口木乃実
同点ゴールは見事だった。久々によくがんばったご褒美に神様があのゴールをくれたのかもしれない。得点できるかどうかはともかくとして毎試合今回のようなパフォーマンスが見られると嬉しい。
■中嶋淑乃
彼女の美質のひとつが安定性にあるのだと痛感した。個々の選手もチーム全体もとにかく波が大きい中にあってその安定性はひときわ輝く。コンディションの維持にはくれぐれも注意してほしい。
■川島はるな
また真っ先に交代になったが、何か理由があるのだろうか。彼女はスロースターターの典型だと思うのだ。今回もいつものように試合の入りが悪く、今日はダメかと思って見ていると少しずつ良くなってくる。20分くらいからミスが減り始め60分くらいからキレが格段に良くなり破壊力が増してきて尻上がりに調子が良くなる。前の試合も最後に逆転弾を叩き込んだわけだし、よしこれからだ、とおもっていると交代を出されてしまった。本当にもったいない。スロースターターなのは緊張癖なのかアップが足りないのかわからないが、この点、本人にも監督にもなんとか善処をお願いしたい。
61:38 塩田から出たパスが強めなのをみてトラップをフェイクにし未来の自分のために敢えてボールに触らずに相手を抜いてゆくプレーをぜひご覧いただきたい。こういうプレーを連発する選手をあっさりと下げてしまう意図はどこにあるのか、目下レジーナ最大の謎となっている。
■塩田満彩
中村楓になにがあったのかわからないが、無事代役が務まることを証明できた。たまに謎のプレーがあるが、それが致命的にならないなら、それも愛嬌があって魅力のひとつという気がしないでもない。
なんとなく彼女にCFをやらせてみたい気がする。破壊力抜群だったりしないだろうか。
■佐山桃子
何度も書いているが成長著しいので続けて欲しい。ただたまになぜかパスが弱過ぎて大ピンチになるのでそこだけは改善してもらいたい。
■藤田七海
アップの時の登場の仕方とか初々しくて嬉しくなった。ようやくベンチ入りまで漕ぎつけてきた感じだがこの勢いで福元美穂を乗り越えてほしい。
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