2022-11-12

2022-23 WEリーグ第3節 浦和 2 − 1 S広島R

 試合を観終わったらすぐにこのブログを書こうと思っていたのだが、それができなかった。それだけこの試合は多くのことを物語っていた試合だった。想いは複雑である。

 浦和と広島、この両チームには残念ながらチーム力に差がある。ほとんどすべての選手が代表格、現役代表もしくは代表経験者である浦和に対して、広島ではそう言える選手が何人いるか。そうした戦力差では明らかに浦和のほうが強い。そしてその差の通りの試合結果となった。

 ではレジーナには勝ち目がなかったのか、といえばそうではない。少なくともレジーナの選手たちは気持ちの上で負けてはいなかった。だから終始苦しい展開ながらも一方的なスコアにはならなかった。実際、佐山桃子がファウルを取られたあのプレーさえなければ引き分けに終わり、勝点を分け合ったかもしれないのだ。


 では、この敗戦の原因は佐山にあるのかというと、そうではない。佐山のスライディングタックルは確かにボールに行っていた。ただ運の悪いことにボールは清家貴子の右足に当たり足元に残った状態になって清家が倒れる形になった。スライディングと同時にボールが外側に飛び出していればおそらくファウルにはならずPKを与えることもなかっただろう。しかし問題なのは、スライディングタックルに行った判断だ。清家がボールを受けペナルティエリアに侵入してきたときから佐山は清家にピッタリとついて並走しており、あの地点ではもはや角度がなくなっていたので、清家にシュートチャンスはほとんどなくなっていた。だからリスクの高いスライディングタックルでボールを弾く必要はなかったのだ。

 そうなるとますます佐山のミスだということになりそうだが、まさにこここそが彼我の力の差にほかならない。ゴールラインが近づいてしまって清家はおそらく迷っただろう。切り返してシュートを狙うか、それともシュートは諦めてコーナーキックを取りに行くか、あるいは後の味方にパスを出すか、どうしようか、と。そしてその迷いの瞬間を佐山は見逃さなかった。すかさずスライディングを敢行した。その瞬時の判断は見事なものだった。そしてチャンスと見たらチャレンジする意欲も素晴らしい。
 ただ、もし攻守が逆だったとしたら浦和のCBは同じようにスライディングをしただろうか。おそらくしていないのではないか。なぜならPKを与える危険性が高いからである。この差が浦和と広島の厳然たる力量差にほかならない。技術的な問題はほとんどない。気持ちの上でも負けてはいない。しかし最後のところで冷静な判断ができるかどうか、そういうわずかな差。ほんとうにそれは紙一重の差かもしれない。

 しかしこの差を埋めるのは一朝一夕ではできない。おそらく何年も彼女たちの背中を追い続け、努力を重ねなければならない。強化をし続けなければならない。そして5年後10年後に彼女たちと肩を並べるところまで到達できるかどうかだ。その長い旅路がいま始まった、あらためてそんな気がしたのである。

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