チームは第17節の相模原戦をきっかけに好調に転じた。4/29にはINAC神戸と激闘を演じた末破れはしたものの、5/4にはその神戸にリベンジを果たす結果を得た。リーグ戦終盤になってようやく安定感が出てきたと言っていい。もちろんこれは喜ばしいことであるのだが、良いことずくめかというとそうでもない。先発メンバが固定化してしまうという負の側面があるのだ。実際、ホーム初勝利のあとメインスタンドへ挨拶した時のベンチ外メンバーの表情は複雑だった。彼女たちの表情はマスクでよくわからないものの、試合に出たメンバと同じ晴れやかな顔つきをしている者は少なかったように見えた。
ここでひとりの選手をピックアップしたい。#24DF内田好美である。
後半戦が始まってチームは4連敗を喫してしまったが、この暗黒の連敗街道の中で鮮やか光彩を放ったのが右SBで先発出場した内田好美であった。
鋭く精度の高いフィードを盛んに繰り出し、精力的に上がっていってチャンスメークする姿は独特のリズムを持っており、攻撃面で破壊力の高さを感じさせた。プレシーズンマッチにも前半戦にも出場機会がなかった彼女を後半戦に入って初めて見ることができた私は、中村監督はいよいよ秘密兵器を出してきた、と本気で思ったのだ。それくらい彼女のインパクトは強かった。
初めて小野伸二を観たときの衝撃、初めて森崎和幸を観たときの衝撃、それに近いものを感じたのだ。巨大な才能を持つものだけが与える衝撃。それを内田好美は持っている。
ただ、如何せん、チーム全体のパフォーマンスが良くなかった。サイドバックとしてはできることが少なかったかも知れない。その意味でチーム全体が停滞している時に出ることになった巡り合わせは不運というほかない。
監督は当然彼女の能力を高く評価しているはずだ。だからこそ満を持して彼女を後半戦最初の仙台戦に起用したわけだ。だから彼女が先発で出た三試合のうち一つでも勝っていればほんとうに良かったのだが、運命の悪戯か、残念ながらそうはならなかった。チームとして結果が出ないとすれば、まだフィットしきれていないという判断が成立してしまうものなのかも知れない。
しかし内田好美よ、あるいは出場機会が十分でない者たちよ、どうか腐らないで欲しい。サンフレッチェのスカウトは超の字を付けても足りないほど優秀だ。君たちはその優秀なスカウト陣に嘱望された結果いま現在広島にいる、そのことを忘れないで、チャンスをしっかりと手繰り寄せて欲しいのだ。
2022-05-07
内田好美の才能
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